早稲田大学
K.Sさん
スポーツ科学部 スポーツ科学科 スポーツ医科学コース2年
筋生物学研究室
大阪府立北野高等学校出身
運動時の筋肉に起こることを
分子生物学で明らかにしたい
「授業以外は部活」の高校時代
勉強時間の確保が難しかった
小学生の頃から理系分野に興味があり、科学実験教室に通ったり、JAXAスペースキャンプに参加したりしていました。はっきり意識はしていませんでしたが、自分のなかでは理系に進むつもりでいたと思います。

スポーツも好きで、高校では陸上部に所属して中距離走の800メートルを中心に走っていました。ただ部活に熱中しすぎたあまり、勉強がおろそかになっていました。

高校の授業進度が速かったこともあり、勉強についていくことは非常に厳しかったです。
スポーツ科学への関心も
部活に熱中したことで育まれた
スポーツ科学に興味を持ったのは、私自身が中学生の頃から運動中の怪我が多かったり、陸上競技に取り組んでいたからです。高校の陸上部顧問の先生がスポーツ科学にお詳しく、ご指導いただいたこともより興味が深まるきっかけのひとつになりました。

さらに私の出身校では、大阪府のグローバルリーダーズハイスクール(SGH)事業の一環として「研究」が必修科目になっていました。いちばん好きな体育の授業からテーマを選び、陸上部の友達と協力して一年間研究に取り組んで、論文にまとめました。このような経験を通して、高校の時に、よりいっそう理系分野に興味を持つようになりました。
スポーツと人体の関係を
ミクロな視点から見る面白さ
筋生物学研究室に入ったのは、昨年度受講した秋本先生の生理学の授業がとても面白かったからです。

それまではスポーツ科学というと、バイオメカニクスなど、人体について骨格や筋肉という大きな枠組みで捉えることが多いものだと思っていました。しかし、生理学の授業によって、運動時にも細胞内では分子レベルのさまざまな応答が起きていることを知りました。生命現象を分子レベルで解明しようという分子生物学は、非常に興味深い学問だと思います。
アスリートの故障やケガを
分子生物学の知見で防ぎたい
現在は学部2年次なので、研究室では主に論文を読んだり、先行研究に関するお話を先生や先輩から伺っています。分子生物学は今も発展し続けている分野であり、未だ解明されてないことも多く、たいへん面白いです。

現在最も興味があるのは、肉離れの瘢痕化メカニズムについてです。昨年度、人生で4回目の肉離れを経験し、MRIで瘢痕ができているのが確認できました。まだ、肉離れの瘢痕化のメカニズムはよくわかっていないそうなので、いつの日か自分の手で解明したいと思います。

将来はスポーツ外傷に関する研究をして、怪我なくスポーツに取り組めるような社会環境づくりにも貢献していきたいです。
「未知のことを解明するためには、現時点でわかっていること・わからないことを知らないと」とK.Sさん。研究テーマを選ぶ前段階としてひたすら勉強の日々です。
研究室の先輩と。上級生が手がけている先行研究の話を聞くのは大切な勉強の一環です。他にも海外留学事情について、実験用マウスの扱い方など、話題は尽きません。
高校生に向けてのメッセージ

自分が本当に興味のある分野が何か、これを高校生のときに決めるのは非常に難しいと思います。私自身、進路選択には非常に悩みました。選択したことを自分で正解にできるように、行動していくことができれば、どんな選択をしても正解になると思っています。もし進路に迷っているのであれば、今自分の興味のあること、勉強していて楽しいと思えるのは何か、自己分析をしてみるのもおすすめです。

高校生に向けてのメッセージ

自分が本当に興味のある分野が何か、これを高校生のときに決めるのは非常に難しいと思います。私自身、進路選択には非常に悩みました。選択したことを自分で正解にできるように、行動していくことができれば、どんな選択をしても正解になると思っています。もし進路に迷っているのであれば、今自分の興味のあること、勉強していて楽しいと思えるのは何か、自己分析をしてみるのもおすすめです。

profile
秋本 崇之
スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 教授

2000年筑波大学大学院博士課程医学研究科修了。医学博士。早稲田大学先端科学・健康医療融合研究機構生命医療工学研究所講師、東京大学・医学研究科講師、パドヴァ大学客員教授等を経て2016年より現職。専門は筋生物学。

2000年筑波大学大学院博士課程医学研究科修了。医学博士。早稲田大学先端科学・健康医療融合研究機構生命医療工学研究所講師、東京大学・医学研究科講師、パドヴァ大学客員教授等を経て2016年より現職。専門は筋生物学。

理系女子が活躍する研究室
スポーツ科学部 スポーツ科学科 筋生物学研究室
筋生物学(マッスルバイオロジー)を中心に、運動により体内、主に骨格筋のなかでどのような現象が起きているのかを生物学的に研究しています。運動で健康になるメカニズムを分子レベルで解明しようとしており、体外で培養した細胞や遺伝子操作したマウスによる実験等を行っています。