柴崎 亮介
麗澤大学
工学部 工学科
2024年4月 新設予定
柴崎 亮介
副学長
(工学部学部長就任予定)
工学部設置準備室 室長
東京大学卒。ISO(国際標準化機構)TC211(地理情報)にて空間データの品質評価手法の国際標準作成に関するプロジェクトリーダー(1998-2003)、GEO(地球観測グループ)のデータ・構造委員会共同議長(2006~2016)。東京大学空間情報科学研究センター教授。現在、麗澤大学工学部設置準備室の室長を務める。

社会の課題を解決し、人々を幸福にするエンジニアを育てます

麗澤大学は「知徳一体」を教育理念とし、心豊かな人間性を育てるとともに、専門知識と実践的語学力によって国際社会に貢献できる人材を育ててきました。しかし、環境問題、貧困問題、人口減少などの社会課題を解決するためには、あらゆる学問分野からのアプローチが必要となります。そこで、豊かな人間性を持ち、デジタル技術で社会課題を解決し、人々を幸福にするエンジニアを養成するため、麗澤大学は2024年4月、工学部を新設します。学部長に就任予定である柴崎先生にめざすエンジニア像について伺いました。

社会の困りごとをデジタル技術で解決する力と
エンジニア人生を充実させるマインドセットや成長力を養います

技術万能の時代ですが、それだけに、「技術を使って何をするか」が問われている時代だと思います。例えばドローンは、僻地に医薬品や輸血用の血液などを運ぶことに役立っていますが、爆弾を積んだ兵器としても使われています。エンジニアを育てるときに、モラルや倫理観を養う教育は欠かせません。麗澤大学は創立以来、「道徳教育=人間教育」を教育の柱のひとつとし、社会貢献できる人材の育成に力を注いできました。この度新設する工学部では、このモラルを養う教育を大切にしながら、人や社会の困りごとをデジタル技術で解決できるエンジニアを育てていきます。

もうひとつ、私たちが大事に考えているのが、エンジニア人生を充実させるための考え方・取り組み方を教えることです。どんな最先端技術も10年後には時代遅れになります。そのことを予測して学び続ける力やチームで課題に取り組むための人間力を養い、卒業後のキャリアを充実させるためのマインドの持ち方をアドバイスし、自分の力と成長が社会に役立つことに喜びを感じるようなエンジニアを育てたいと考えています。

デザイン思考を中心に据えた少人数教育で
一人ひとりを大事に育てます

麗澤大学は、学生と教職員合わせて3,000名弱の小さな大学ですが、小規模ゆえに教員と学生との距離が近く、充実した学びが提供できると思っています。工学部工学科も入学定員が100名と少ないので、4年間の少人数ゼミを実施する予定です。一人ひとりの個性を尊重しながら、愛情を持って、丁寧に育てていきます。

私たちがこれからのエンジニアに一番必要だと考えるのは問題解決力です。この力を養うことを「デザイン思考」といいます。デザイン思考とは、まず、ユーザーの困りごとに共感し、本質的な課題を見つけ出します。そして、解決のための道筋をデザインし、技術力を活かしてそれを形にします。最後に、テスト・改良し一連の流れを繰り返すことで解決策を生み出す思考法です。この方法論を学んだ後は、学生同士でチームを組んで実践的な演習を行い、課題を解決する力を養います。

グループワークを重視するのは、実際に社会に出た後に即戦力として活躍できる力を養うためです。ひとりの技術力や研究力でできることには限界があります。将来は自らチームや組織を立ち上げ、多くの人の力を問題解決に向けて結集できるような人材になってほしいと思います。

好奇心旺盛で、デジタル技術やAIに興味があり
自分の技術を社会に役立てたい生徒を歓迎します

私たちは、好奇心旺盛で、デジタル技術やAIに興味があり、技術を使って個人や社会のために何かできないかと考えている生徒、実際に何かモノをつくって動かしてみたい、と思う生徒を歓迎します。

女性の共感力、視野の広さ、マネジメント力は、課題解決の大きな武器になります。デジタルな技術力があれば、リモートワークも容易でライフステージに合わせた働き方の幅も広がるので、女子生徒にも入学していただきたいと思います。

数学やプログラミングが苦手な学生には、細やかな指導をします。現在、工学部の新校舎を建設中ですが、校舎内には、いつでも気軽に教員と勉強でき、わからないことをわかるまで学べる専用フロアを設けました。

社会の課題を解決するためには、社会科学系、人文科学系の知識も必要です。文理融合のワンキャンパスでの学びは、知識と人脈を広げ、人々の幸福を追求できる多角的な視野を養います。ぜひ、このキャンパスで学び、心豊かで技術力・成長力のあるエンジニアへと成長してください。
工学部の研究や実験に対応できる最先端の校舎を建設中です。数学や物理などが苦手な人も安心できるよう、いつでも気軽に教員と勉強できる専用フロアを設置。アイデアを素早く形にできる大型実験室も用意しました。
デザイン思考とは、問題解決をゴールとし、共感、問題定義、アイデア創出、プロトタイプ(試作)、テストを繰り返して、ソリューションを生み出す思考法です。思い込みや固定観念を取り去り、前例にとらわれないアイデアを生むことができます。
情報技術を理解し、活用する実践知を養う
情報システム工学専攻(仮称)

○主な分野

ソフトウェア工学・機械学習・アプリ開発・データサイエンス など 現実社会の課題解決手段としての情報技術の基本的な知識やAIなどの先端技術を幅広く学びながら、実践例や現場での経験を通して、その可能性を体感する学びを重視します。
小塩 篤史
特任教授(工学部設置準備室)
麗澤大学 EdTech研究センター センター長/
データサイエンス教育センター センター長
好奇心を大切にしよう!いま、数学やプログラミングが苦手な人も、興味があれば飛び込んできてください。一緒に楽しい未来をつくりませんか!
ものづくりの技術を理解し、現場で活かせる力をつける
ロボティクス専攻(仮称)

○主な分野

機械工学・ロボティクス基礎・ロボット設計・制御工学・センシング工学 など 情報技術を用いて、現実社会に物理的に働きかけられる技術としてのロボティクスを学びます。基本的な知識や技術に加え、体験・演習を通して実践的に学び、活用方法を含め体得します。
鈴木 高宏
教授(工学部設置準備室)
麗澤大学未来工学研究センター
ロボットがどのように人や社会に役立てられるかという視点を大切に、自然豊かなキャンパスで未来の「ロボット」を一緒に学び、考えましょう。

取得可能な資格

基本情報技術者/ITパスポート/情報セキュリティマネジメント/MOS(Microsoft Office Specialist)/応用情報技術者/Python3 エンジニア認定基礎試験/TOEIC®/統計検定試験3級・2級レベル
※麗澤大学工学部の学びを通じて身に付けた能力で取得可能な資格

想定される進路

卒業後は、コミュニケーション力、共感力、技術力を武器に現場で即戦力となるエンジニアや技術営業として活躍できます。各種企業など経済・産業界、加えて行政機関等へ幅広く輩出しますが、特に以下が想定されます。
DX促進、IoT、ロボット活用等を必要としている国・地方自治体など公共機関/DX、IoT、ロボット導入活用をこれから進めたい企業
※特に、Sler、コンサル・シンクタンク、商社等で地方DX・ロボット等によるイノベーションの推進に取り組みたい企業