東洋大学 学長矢口悦子

1983年3月同お茶の水女子大学大学院修士課程修了(人文科学研究科)。
1986年3月同大学大学院博士課程単位取得退学(人間文化研究科)。
2000年4月山脇学園短期大学教授就任。
社会教育学と生涯学習論を専門とし、数々の著書を執筆。
2003年4月東洋大学文学部教授就任。
2015年4月同大学文学部長・学校法人東洋大学評議員を経て2020年4月から現職。
人文科学博士。

地球社会の未来に貢献する
大学の創造めざし改革が進行中

先端のICT環境を整備した赤羽台キャンパス

今春、学長に就任した直後、まず取り組むべきは新型コロナウイルス禍のなかで、全教職員が一致団結して学生の学びを確保することでした。幸い、本学は2013年から紙の願書や大学案内を廃止するペーパーレス化を実現するなど、早くからオンラインによる教育や情報発信の仕組みを構築していたため、インターネットを介した新入生に対する指導や授業への導入を比較的スムーズに実施することができました。

オンライン授業に対する学生の満足度も予想したより高かったのですが、やはり教員や他の学生から受ける刺激や独自の空気感は対面授業でなければ得られないものです。秋学期からは対面授業の割合を増やすように図ってきました。

この間、各キャンパスのなかで最も教員による対面授業の比率が高かったのが、最新のICT環境が整備された情報連携学部がある赤羽台キャンパスです。キャンパス内をすべてインターネットでつなぐIoTキャンパスとなっており、学内の情報がデジタルデバイスを介してリアルタイムで得られます。また、情報通信技術で社会にイノベーションを起こすことができる人材を育てるという、情報連携学部の教育目標を実現するための最先端の機器・設備が完備され、授業にも積極的に活用されています。以前からICT環境が整っていたため、オンライン授業はもちろん、コロナ禍のなかで求められている新しい対面授業にも柔軟に対応することができたわけです。

2023年春、赤羽台キャンパスに2つの新学部を開設

東洋大学では先ごろ、さまざまな地球的課題の解決に取り組み、SDGs(持続可能な開発目標)の推進に貢献することも目標とし、学校法人として2024年度までの5年間の活動の指針となる中期計画「TOYO GRAND DESIGN 2020-2024」を策定しました。次代の東洋大学のあるべき姿を示したこの計画では、学部・学科の改組・新設や各キャンパスの整備拡充も柱の1つとなっています。

東洋大学 矢口悦子毎日新聞社 中根正義

学部・学科の改編については、まず2021年度にライフデザイン学部が現在の朝霞キャンパスから赤羽台キャンパスに移転します。続いて2023年4月、同じく赤羽台キャンパスに「福祉社会デザイン学部」「健康スポーツ科学部」という2つの新学部を開設します。この2学部の開設と並行して食環境科学部、生命科学部といった既設学部の改組・再編にも着手し、それぞれ既存学科を再編成し、新学科を設置するなどの改革を行います。

キャンパスの再整備としては、ライフデザイン学部の移転に伴い、赤羽台キャンパスに新校舎や日本人学生と外国人留学生が生活を共にする学生寮の新設を計画しています。朝霞キャンパスも2024年度に生命科学部、食環境科学部、理工学部生体医工学科が移転するのに伴って新棟を建設する予定です。

これら学部・学科の新設や改組・再編によって、例えば、アスリートを支援する専門家等を育成する学科、PCR検査などを担当する技師や生命工学技術を使って医療機器を開発する技術者の養成をめざす学科、データサイエンスを駆使して食の偏在や食品ロスを軽減するための研究に取り組む学科などを設けます。さらに、栄養という観点から人間の健康をとことん追求する、生命の根源を突き詰めて研究し、それを次代の医療に生かす、あるいはアフターコロナの社会で求められる新しい都市建築や街づくりの在り方を探究するなど、各キャンパスではそれぞれの特色を生かした教育・研究が行われることになります。

これらは近年、女子受験生の関心が高まっている領域であり、文理融合型の学科が複数誕生する予定です。新しい学部・学科に女子学生が数多く入学してくれることで、教育・研究の場だけでなく、生活のさまざまな場面においても、男性だから、女性だからという性差を意識することなく、物事に取り組むような環境が自然に生まれることを期待しています。

新しい学部・学科も加え大学全体の研究の成果を社会に広く発信し、還元することで、今回策定した中期計画の中核目標である「地球社会の未来を拓く」「人類の幸福に寄与する」ことにつなげていきたいと思っています。

そして、学部・学科が志向する研究によって、それぞれのキャンパスならではの個性や色合いが醸し出され、それらが調和することで生まれる新しい東洋大学の姿を社会にアピールしていきたいですね。

東洋大学 学長 矢口 悦子

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