九州産業大学
理工学部 機械工学科
牛見研究室
Ushimi Lab. Department of Mechanical Engineering, Faculty of Science and Technology,
Kyushu Sangyo University

エンジニアリングとアートが融合した
「テクノアートプロジェクト」を実施

社会の最前線で必要とされるスキルを、実践のなかで身につけていく「KSUプロジェクト型教育」。理工学部と芸術学部が連携する「テクノアートプロジェクト」は、その一環として2011年にスタートしました。

メカトロニクスとプロダクトデザインを組み合わせて、新しい生活スタイルを提案する照明器具やユニークな玩具などを試作。分野の異なる学部を有する環境だからこそ、取り組むことのできる教育活動です。

プロジェクトの発足当初のテーマは、「センサやマイコンを使った光(LED)のアート」。そこにロボット開発の技術が加わり、2012年から現在のテーマである「ロボティック・トイ」に発展しました。自律移動ロボットの研究を行なっている牛見宣博教授は、このプロジェクトに同年から参加。学生たちの自主性を重んじながら、彼らの活動を温かく見守っています。

学部の垣根を超えてものづくりを行う意義や、異なる分野の学生が協力することで生まれる相乗効果、そしてそこから得られるスキルとはどのようなものでしょうか? プロジェクトの魅力や活動内容について、牛見教授にお話を伺いました。

芸術学部の「あればいいな」をメカトロニクスで実現

「テクノアートプロジェクト」では、「おもしろい動きをする」「美しい物体が光や音を発する」などのテーマに沿った作品を、理工学部と芸術学部の学生が力を合わせて制作します。学生たちは9月から翌年1月までの4ヶ月間で、普段の授業や実験にはない実践的なものづくりを体験できます。

昨年度は20チームが参加し、基本的に1チームは理工学部の3年生2~3人、芸術学部の2年生1人で構成されました。まず芸術学部の学生がコンセプトを決めて、作りたい作品のアイデアをラフ画にまとめます。それをもとに両学部の学生が、どのようにすれば形になるかを話し合い最終的な方向性を決定。その後は理工学部が技術面の中心となり芸術学部と協力、センサ・マイコン・LED・モータ・ソフトウェアなどを活用して制作していきます。完成した作品は、光や音を発する美しいオブジェ、人の動きに反応するロボットなど実にさまざま。最後は学生自らがプレゼンテーションを行い、教員たちの投票によって最優秀賞、優秀賞作品が決定します。昨年度は、腕を振ると音や光が発生する「君もエアギターリストだ!!」が最優秀賞作品に選ばれました。

また大学院では、「テクノアートプロジェクト」を“先生の目線”でプロデュースする授業が設けられています。院生たちは、プレゼンの司会を担当したり学生たちにアドバイスをしたりと、過去に得た経験を活かしながらプロジェクトに携わっていきます。

将来、ものづくりの現場で活かせる能力を習得

作品は福岡市内の文化施設などで一般公開しており、昨年度は福岡市科学館で、実際に子どもたちに触ってもらいました。いざ展示してみると、技術・デザイン的に優秀な作品だけではなく、単純におもしろい作品も支持される結果に。この経験は学生たちにとって、どのようなものが受け入れられるのかという、マーケティングを意識するきっかけになります。なかには展示中に破損するものもあり、強度を高めるための改善案を模索するなど、新たな課題が見つかることもあります。

さらに昨年は、同じように工学系と芸術系の学部横断プロジェクトに取り組む韓国・水原大学校との国際PBL(課題解決型学習)を行いました。最優秀賞と優秀賞を獲得した学生たちが現地を訪れて、英語で作品をプレゼン。学部生の段階から大勢の前で、しかも海外でプレゼンできるのは稀で、国際的な視野を養う絶好の機会となりました。

プロジェクトを通して、理工学部の学生はデザインの重要性を再認識できるはずです。また、相手の考えを理解し情報共有していくなかで、コミュニケーション能力が磨かれます。両学部の学生それぞれに熱い思いがあるため、しっかりと話し合って折衷案を見つけなければなりません。考え方が異なる学生たちが、どのようなことを話して解決していったかという過程こそが、このプロジェクトの最大の成果になるのではないでしょうか。ここで経験したことは、将来、ものづくりの現場に就職した際にきっと役に立つはずですよ。



高校生に向けてのメッセージ Message
「テクノアートプロジェクト」では、学生たちが能動的に作業に取り組んでいます。提出された課題と違って答えがないだけに、時には失敗することもあるでしょう。しかし誰かに怒られることはなく、原因を探ることで失敗は「経験」という武器になります。失敗を恐れずに挑戦する姿勢を、このプロジェクトで身につけてください。
九州産業大学 牛見 宣博 教授
Profile
理工学部 機械工学科
牛見 宣博 教授
1994年九州大学工学部生産機械工学科卒業。1996年九州大学大学院工学研究科生産機械工学専攻修士課程修了。2005年博士(工学)。現在、九州産業大学理工学部機械工学科教授。人間の生活支援を目的に、自律型ロボットに関する研究を行う。
1994年九州大学工学部生産機械工学科卒業。1996年九州大学大学院工学研究科生産機械工学専攻修士課程修了。2005年博士(工学)。現在、九州産業大学理工学部機械工学科教授。人間の生活支援を目的に、自律型ロボットに関する研究を行う。

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