九州産業大学 学長榊 泰輔

1985年3月に九州大学理学部数学科を卒業後、安川電機製作所に入社。
1995年5月、東京大学大学院で博士(工学)の学位を取得し、2003年4月、九州産業大学工学部機械工学科教授に就任。
2004年4月工学部バイオロボティクス学科教授、2013年4月ヒューマン・ロボティクス研究センター所長兼務を経て、2017年4月から理工学部機械工学科教授に就任。
2018年4月から現職。

「産学一如」の理想を掲げ、
創立100周年に向けた活動を意欲的に推進

独自の3つの教育プログラムで確かな教養と専門性を高める

九州産業大学は1960年、産業と大学は車の両輪のように一体となって、時々の社会のニーズを満たすべきである、という「産学一如」の考え方を建学の理想として設立されました。

産学連携という言葉がまだそれほど社会に知られていなかった時代に、いち早く産業界との結びつきの重要性を打ち出しました。さらに、産業の発展のためには芸術の要素が欠かせないとの考えを持ち、商学部や工学部と並んで、芸術学部を設置した創設者・中村治四郎先生は、あらゆる分野で「デザイン思考」が注目されている今、極めて先進性に富んでいたと言えるでしょう。

「産学一如」の理想の下、産業界の期待に応える実践力・熱意・豊かな人間性を備えた人材を育成するため、本学では「KSU基盤教育」「KSUプロジェクト型教育」「キャリア教育」の3つからなる独自の教育プログラムを構築しています。

このうちKSU基盤教育は、心身共に健全な国際教養人となるための素養を磨くことを狙いに、全学部の学生が教養科目、外国語科目、専門基礎科目を2年間学ぶもので、今年度から新たにAIリテラシーを学ぶ授業科目がスタートしています。導入にあたっては、文系、理工系、芸術系のそれぞれの学部系統ごとに育成目標を立て、AIをツールとして使いこなせるスキルを身につけます。

九州産業大学 榊泰輔毎日新聞社 中根正義

KSUプロジェクト教育は、企業や地域自治体と協力してプロジェクトを立ち上げ、取り組むことで現場体験を積み、実践力や共創力、コミュニケーション力、リーダーシップを磨くことを目的とした実践的なプログラムです。現在、産官学連携による商品開発やプロモーション、技術開発など、学部・学科の枠を超えた115のプロジェクトが進行中です。その多くがSDGs(持続可能な開発目標)に関連しており、学生たちはプロジェクトが世界とつながり、社会を変えていくきっかけとなることを意識しながら前向きに取り組んでいます。

そして、すべての学生が納得のいく就職ができるように、本学では1年次から独自のキャリア教育を展開し、万全のサポート体制を敷いており、今春卒業者の就職決定率は99.2%を達成しました。

着実な成果を挙げる育成型入試
創立100周年に向けた取り組みも推進

本学では、多様な能力や個性を持つ学生を選抜し、生き生きとしたキャンバスを形成するため、さまざまな入試制度を採り入れていますが、他に例を見ないユニークな制度として注目され、評価を得ているのが「総合型選抜育成型入試」です。本学で学ぶ意欲の高い高校生を対象に、受験前から事前課題を与えるなど育成プログラムを通じて、大学で学ぶ目的や将来のキャリアを明確にするという「育成」をキーワードとした制度です。この入試で入学した学生は、入学前の課題達成率、入学後の基礎学力を測る試験の点数がともに年々上昇。授業でも積極的に発言したり、教員に質問したりするなど、前向きに学修に取り組んでおり、成果は着実に上がっていると自負しています。

今年、創立60周年を迎えた本学では、100周年に向けて「新たな知と地をデザインする大学へ─もっと意外に。もっと自由に。─」というビジョンを打ち立て、さまざまな事業にチャレンジしています。

まず、今年度後学期から始まったのが「グローバル・リーダーシップ・プログラム(GLP)」があります。国連ハビタット福岡本部と連携し、国際舞台の最前線で活躍できる人材を育てることを目的とした全学部学生対象の2年間のプログラムですが、国際人としてふさわしい教養と知見を身につけ、アジアなど現地でハビタットの職員と協力しながら、国際社会の現状について体験を通して学びます。

地元の九州電力とも地域連携に関する協定を締結。3年前の九州北部豪雨で大きな被害を受けた朝倉市の復興まちづくりに協力するなど、地域の防災やまちづくり、観光振興などに取り組んでいきます。

さらに、在学生や卒業生、教員の起業を支援するために「オープンイノベーションセンター」を開設しました。企業や自治体が持つアイデアやノウハウと、本学の研究力を合体させ、新たなビジネスの創出を目指します。同時に、「アフターコロナに向けた特別研究プロジェクト」もスタートしました。短期的な危機対応策に留まらず、コロナ禍終息後の社会を見据えた課題解決をめざした研究を進めていきます。

これからも、本学は100周年に向けて社会に貢献する研究活動を展開していきます。

※2020年10月取材当時の内容です。

九州産業大学 学長 榊 泰輔

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