九州産業大学
S.Sさん
S.Sさん

生命科学部 生命科学科4年
中原由木子研究室
(長崎県立佐世保西高等学校出身)

化学系特集
02

目に見えない小さな泡の力が、
医療分野で目に見える成果をもたらす

専門的になっていく学びの内容が子どもの頃からの好奇心を刺激

「なぜ?どうして?」と、日常生活のなかに不思議なことがたくさんあった子どもの頃。理科の実験で謎が解けると「もっと知りたい!学びたい!」という意欲が湧き上がり、小学生の時点で理系の大学に進むと決めていました。当初は入浴剤のような生活に身近なものを開発したいと思い、新素材や化粧品、医薬品などの分野を学ぶことができる九産大の生命科学部へ。入学してからは、学年が上がるにつれて授業や実験のレベルも上がっていき、好奇心を掻き立てられる毎日です。

身近な分野で応用されているファインバブル技術に注目!

現在は、100μm以下の微細気泡「ファインバブル」を含む水(以下、FB水)について研究しています。すでに工業や農業、漁業、化粧品、食品など多くの分野で応用されているFB水。例えば農業では、酸素を付加したFB水を作物に与えることで成長が促され、収穫量が増えたという事例があります。また漁業では、窒素を付加したFB水を水槽に入れ、活魚をより新鮮な状態で輸送することが可能に。女性に身近なものでは、石鹸を使わずに皮脂を落とすシャワーヘッドにも取り入れられているんですよ。

基本組成が水と気体だけにも関わらず、FB水がこれだけ多くの分野で成果を残している点に強く興味を惹かれました。農業における研究内容を医療に応用するなど、分野をまたいで研究できるという点も、学びの魅力だと思います。

理工系女子が活躍する研究室

生命科学部 生命科学科
無機材料研究室

ファインバブル技術に秘められた
医療分野における可能性
Profile
中原 由木子
生命科学部 生命科学科 教授

1982年中国大連理工大学化工系化工機械専攻卒業。1993年九州大学大学院工学研究科応用化学専攻博士前期課程修了。1996年同研究科応用化学専攻博士後期課程修了。専門分野は無機化学、化工物性・移動操作・単位操作。
ファインバブル技術に秘められた医療分野における可能性

FB水を用いた安心・安全な人工透析配管の洗浄・殺菌を目指す

私が所属する中原先生の研究室の研究テーマは、「医療分野におけるファインバブル技術の応用」です。人工透析の配管は、使用後にタンパク質や脂質、糖などが付着し、現状では次亜塩素酸ナトリウムや酢酸を使って洗浄されています。しかし化学薬品による殺菌は、装置部材の腐食や汚れの堆積などが懸念されています。

研究では、病院から提供していただいた透析配管を用いて、FB水による洗浄・殺菌効果を検証しています。自分たちでFB水を発生させて、洗浄時間などを調整しながら効果を確認。FB水は装置だけでなく自然環境や人体にもやさしいので、これからの医療分野で必要とされる研究であると、大きなやりがいを感じています。

自主性が尊重された環境で試行錯誤しながら改善策を模索

中原先生は同性ということもあり、研究で行き詰まった時も相談しやすいです。しかし先生はすぐに答えを出さず、自主的に考え実践する機会を与えてくださいます。ペアを組む仲間と力を合わせて、人工透析に関する論文を調べるなど試行錯誤。改善策が見つかった時は本当に嬉しいです。

卒業後は大学院に進学して、FB水に関する知識を深めたいと思います。将来は研究職に就いて、医療分野やサニタリー業界などで商品開発に携わることができたらいいですね。そのためにもっと多くの知識を身につけ、技術力と考察力を磨いて一歩ずつ前進していきたいです。

菌にFB水を加えて、37mmクオリティモニターと呼ばれる分析器で洗浄・殺菌効果を検証していきます。
植物にFB水を与えて、成長するスピードを検証。FB水と水道水でプランターを分けて効果を比較します。
Message
高校生に向けてのメッセージ
私は入学後、与えられた課題や指示されたことを行うだけでは物足りず、大学院で知識を応用したいと思うようになりました。大学ではさまざまな分野を学べるので、研究したい内容が決まっていても、興味の対象が変わることも。そのくらい日々の学びは刺激に満ちています。物理を習ったことがなくても、1年次に高校の基礎を復習する授業があるので安心です。男子学生が多いですが、一緒に研究するうちに自然と仲良くなれるはずですよ!

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