九州工業大学
N.Eさん
N.Eさん

大学院 工学府 工学専攻応用化学コース
博士前期課程1年 機能設計化学研究室
(福岡県立京都高等学校出身)

化学系特集
01

がんの早期発見の一助となる
電気による新たな診断法を研究中

大好きな化学を学んで社会に役立つ研究がしたい

化学の道に進んだきっかけは、高校3年生の時に有機化学の世界の楽しさを知ったから。もともと、幼少期から手芸などゼロから何かをつくり出すことが好きで、モノづくりができる工学部に進学することはそれ以前から意識していました。何より化学は、私たちの生活に無関係なものがないほど、暮らしに密接な分野。応用化学科なら、自分の手で新たなものを創造し、社会の役に立つ研究ができる点にも魅力を感じ、志望しました。

がん細胞のみで活性化する酵素を手掛かりに研究

現在、電気を使ったがんの新たな診断方法を開発する研究に取り組んでいます。がん診断は様々な方法で行われますが、その多くは腫瘍がある程度大きくならないと判断ができず、がんのステージ(病期)が進んでしまう場合があります。そこで私たちが目指すのは、採取した細胞の中から正常細胞にはない、がん細胞のみで活性化する酵素・テロメラーゼを電気化学測定で発見し、「酵素が活性=がん細胞」と診断できるようにすること。このテロメラーゼは、肺や胃などすべてのがんの8割ほどで活性化するといわれています。実用化すれば、目視が不可能な超早期に発見ができるようになり、がん治療の発展に貢献できるのではないかと期待されています。近い将来、人々の健康に役立てられるかもしれない。そんな可能性を秘めた研究に携われていることは、研究に取り組む大きなモチベーションです。

理工系女子が活躍する研究室

工学部応用化学科
機能設計化学研究室

早期がん診断を目指した
電気化学的検出法を開発
Profile
竹中 繁織
大学院工学研究院 物質工学研究系 教授

1986年九州大学大学院総合理工学研究科博士課程中退。1988年工学博士。2005年より九州工業大学工学部物質工学科応用化学コース教授。2006-2019年同大学バイオマイクロセンシング技術研究センターのセンター長を兼任。
早期がん診断を目指した
電気化学的検出法を開発

口腔がんの臨床実験を地元の歯科大と実施

今後は九州歯科大学と連携し、がんの中でも口腔がんの患者の方の細胞サンプルをもとに、臨床実験を進めていく予定です。
口腔がんは口内炎と症状が似ているため、本人が病気のサインに気づきにくいのが難点。しかし、口内の細胞は比較的簡単に採取できるため、検査の正確性を高めていけば、実用性は高いと思います。今は臨床実験を行う前の大切な準備段階。テロメラーゼの成分反応を見るために、細胞に含まれるタンパク質などのその他の成分の影響をいかに少なくするか、検出の精度を高めることに注力しています。

実験中、予想した結果が得られず落胆することもあります。しかし、それも化学の醍醐味だと思えるようになりました!

“あったらいいな!”将来はそんな製品を作りたい

学部3年次から、今後さらにグローバル化が加速する社会を見据え、グローバルエンジニア養成コース※を受講しています。英語論文の書き方や、研究内容を英語で発表する練習も行っています。さらに課外活動の一環で、以前はインドからの留学生を連れて、福岡の名所を英語で案内したことも。異文化や多様性を肌で感じ、より多くのことを実践的に学ぶようにしています。

今後も卒業までにさまざまな経験を積み、将来は大好きな化学の力を使って、「こんな製品がほしかった!」と思ってもらえるような製品づくりに携わりたいと思います。

学部4年間と大学院博士前期課程の2年間を通じてグローバル人材に必要なスキルを修得できるようデザインされた九州工業大学の体系的な6年一貫教育プログラム。

私の研究室では1つ上の先輩が指導係になるのが通例。とても仲が良く、切磋琢磨し合える和やかな雰囲気が魅力です。
診断実験は、電気化学装置に唾液などから集めたがん細胞破砕液をかけ、テロメラーゼの反応を確認することで行っています。「実験には根気強さもとても大事です」。
Message
高校生に向けてのメッセージ
理系は女子が少ないイメージで入学当初は不安でしたが、実際は性別に関係なく、同じような目標を持っている人が周りにたくさんいて、すごくいい刺激をもらいます。そのおかげで充実した毎日を送ることができています。化学が好きな人、研究に興味がある人、モノづくりが好きな人はぜひ理系の学部に挑戦してみてください。自分のやりたいことに進んでいけば、きっと充実した楽しい大学生活が送れるはずです。未来に向けて今を頑張ってください!

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